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只管音読とは

只管音読という文字をみて「只管」って何!?と思った人は多いのではないでしょうか?

只管(しかん)音読とは曹洞宗の開祖である道元が説いた「只管打座」(ひたすら座禅しなさい)という言葉にかけて「ひたすら音読をする」という意味になります。同時通訳の神と言われた故・國弘正雄さんが提唱した勉強法です。

要するに只管音読とはひたすら音奥を繰り返して自然と身体と脳にそのフレーズを叩き込もう!という勉強法な訳です。後に詳しく紹介しますが、只管音読のひたすらに音読を繰り返す回数はなんと500~1000回!

いやいや・・・無理でしょ。そう思うのが普通だと思います。僕も最初は思いました。実践してみて感じたことはひたすら唱えたフレーズは絶対忘れないし、反射的に会話の中で出てくるということ。

そんなどこか体育会系の臭いも感じずにはいられない只管音読について紹介していきます!

ちなみに僕は自他共に認める非体育会系です。

体育会系・非体育会系とか関係なく誰でも取り組める勉強法です!

只管音読の驚くべき効果とは!?

まず初めに只管音読のメリットに関してお伝えしたいと思います。ざっと只管朗読のメリットは以下です。

  • やり方が簡単
  • 時間と場所を選ばない
  • 外国語のリズムが身に付く
  • 瞬時に言葉が出てくるようになる
  • 脳が鍛えられる
  • お金がかからない(テキスト代のみ)

正直メリットしかない、最強のメソッドだと個人的には思っています。

それでは1つ1つ詳しく見ていきましょう。

やり方が簡単

やり方は「ただ反復するのみ」…。本当にこれだけです。

ひたすら反復を繰り返して文を脳に、身体に覚え込まそうということです。

ただ繰り返すだけと紹介しましたが、最低限下記の点だけ守って反復してください。

  • 反復する回数は最低でも三桁回数
  • 文の意味を頭で理解しながら反復音読
  • 元の音声をマネるように音読する

反復する回数は最低でも三桁回数

回数が10〜20回だけでは記憶に定着されません。最低でも100回以上、理想は500回〜1000回は音読を繰り返したいところです。やりすぎだ!ってくらいがちょうどよかったりするものです。

また、身体に染み付くほど音読を繰り返していると、どうしてここはaがつくのだろう、どうしてtheがつかないんだろう?といった疑問が生まれてきたりして普段気づかないような疑問が生まれます。

文の意味を頭で理解しながら反復音読

音読する際はただ闇雲に文を音読するのではなく、文法や単語の意味を理解しながら音読をしていきましょう。頭で理解しながら音読を繰り返すことでその文章が頭に刻み込まれ、最近よく聞く「英語脳」などの外国語に適応した頭になっていきます。

また、文法の使い方や単語の意味を理解しながら覚えることで、実際の会話で覚えたその文章に近いフレーズを話そうとする際、単語を入れ替えたりすることで応用を効かすこともできます。

元の音声をマネるように発音する

教材はできるだけ音声の付いている教材を選ぶようにしましょう。スマートフォンですとWEBページの英文を読み上げる機能もあるのでその音声を使うのも良いでしょう。

声に出して文章を読み上げる際は元の音声そっくりそのまま真似てください。私たち日本人からすると話すスピードが速すぎたりリズムが独特だったりして音声に違和感があるかもしれないですが、ネイティブからするとその音声のスピードやリズムが最も自然に聞こえるはずです。

元の音声をマネることのメリット

・外国語のリズムが身につく

・外国語のスピード感が身につく

・外国語のまま文を理解できるようになる

時間と場所を選ばない

基本的に文章を用意して声に出す作業なので時間と場所は選びません。ただ、家族がいるなどの何らかの理由によって声を出すのも難しい、恥ずかしいなんて場合もあると思います。そんな時は声に出さなくても良いので口を動かすだけでもして身体に覚え込ませましょう。もちろん、声を出した方が効果は抜群です。

私は家に妻がいる時はなかなか声を出しづらい雰囲気があるので外を歩いている時に暗礁したりもたまにしています。他の通行人にはきっと聞こえていないだろう・・・と信じています!

外国語のリズムが身に付く

お手本となる音声があるのならその音声を徹底的にマネましょう!ここでは徹底的にマネをするのがポイント。

いわゆる学校で音読をしていた頃のような日本人読みをしても日本人には通じやすいかもしれませんが、外国人からすると聞きにくくてたまったものではありません。何度も文を声に出して読んで文章とそのリズムを身体に覚え込ませましょう。

只管音読とはいわば野球で言うところの素振りのようなものです。何度もバットを振ることで型を身体に馴染ませ、無意識にその動きができるレベルにまで持っていく作業です。当然、野球の素振りと同じようにただバットを振るのではいけません。しっかりと正しい形(正しい発音のための口の形)を守って行いましょう。

瞬時に言葉が出てくるようになる

何度も紹介しているように、只管音読は繰り返し文章を声に出すことで頭と身体に外国語を覚えさせる素振りです。スポーツにも言えることですが、頭で理屈を分かっていても身体がその通りに動いてくれなくては意味がありません。

外国語を話すこともスポーツと同じです、どんなに頭で単語の意味や文法の知識を知っていたとしても、それを声に出して使わなければいけません。また、会話では次に何を話すか決めるフレーズ構築の瞬発力が要求されます。悠長にいちいち頭で文章を組み立てる余裕もありません。

ここでやはり肝になってくるのが「瞬間的に言葉が出る=身体(口)が覚えている」こと。時には根気も必要になってきますが、文章を何度も音読しましょう。

外国語の習得は何といっても習慣の累積ですから、肉体に記憶させなければなりません。ただ単に頭で憶えただけでは不充分であり、理屈として知っているだけでは役に立たないということなのです。これを難しくいえば、ことばを内在化、つまりinternalizeさせるということになるでしょう。

つまりは肉体の内部に定着させるということで、肉体の感覚(五感)を用いることによって自然に記憶させるのが、外国語の習得にあたってもっとも大切なことなのです。

『英語の話し方』 國弘正雄著  1970年刊  サイマル出版 (絶版)

脳が鍛えられる

音読が脳を活性化させるという話を聞いたことはあるでしょうか?日本語で音読する際にも脳が活性化されますので、外国語での音読となるとさらに脳に負荷がかかり活性化を促します。では具体的に脳のどの部位を活性化させどのような効果が見込めるのでしょうか?

前頭前野を鍛える

音読で鍛えることのできる部位の一つは前頭前野です。前頭前野は人間らしさを司る脳の領域だと言われています。要するに、相手を思ったり、相手の表情を読み取るなど人間関係の構築に大きく関わってくる部分です。前頭前野は初めて読む文章や難しい文章を音読している時に活性化します。

音読をすることで脳も鍛えることができるだけでなく、その他の日常生活にもプラスになるはずです。

大脳辺縁系を鍛える

音読で鍛えられるのは前頭葉だけではありません。「大脳辺縁系」という部位も鍛えることが可能です。大脳辺縁系は感情や自律神経など本能的な部分を司っています。何度も慣れ親しんだ文を読むことで鍛えることができる脳の部位となります。

こういった効果があることを知るとますます勉強に身が入りますね。

お金がかからない

言うまでもないですが、只管音読をするのにお金は必要ありません、必要なのは自分の学習に対する向上心だけです!テキストを買う場合はお金がかかりますが、今ではインターネットに大量の情報がありますのでその気になればネット上のサイトから学ぶことも可能です。

私はよく自分の興味のある分野の英文ページを探して読んでいます。その中で「この表現使えそう!」と思った文は何度も声に出して読み上げ、自分のフレーズとしています。

只管音読はお金もかからない上に誰でも始められるメソッドであるが故に、マンネリ化しやすいのがデメリットかもしれません。マンネリ化しないよう、自分なりの工夫を取り入れながら続けてみてください。